こんにちわ、のんちゃんです。
うちの奥さんは今現在保育士をしています。 そして、実はのんちゃんも、以前保育士として保育に勤務していました。 つまり、夫婦そろって子育てのプロでありました。 僕は元ですが、 最近世間でも待機児童への関心が高まってきているように思います。 そこで、今回は、保育士目線から見た待機児童ゼロへ向けての取り組みを具体的に、そして僕の主観的に書いていきたいと思います。
今回は待機児童ゼロへ向けての取り組みということで、僕自身も保育士だったころの経験をふまえて書き綴っていきたいと思います。 まずは待機児童の増えてしまったいきさつから。 そして、これから保育士としてどういう取り組みをしていかなければならないのかを考えてみます。
もくじ
待機児童とは
幼稚園や保育園に、子どもさんを預けようとして申請します。 しかし、幼稚園や保育園には各施設の規模や先生の人数によって、利用できる子ども達の定員が決まっています。
この定員が満員である場合、申請された子どもさんは定員の空きが出るまで待機状態になります。 これが待機児童です。 一般的には、入所中の子が、卒園・引っ越し・病気その他の理由で退園すると、この定員に空きが出ます。
ただ、基本的にはどの親御さんもそうですが、1度入った園で卒園まで過ごしたいですよね。
なので、この定員の空きについては、基本的には年度末まで空きがありません。
そのために、都心などの人口が多く、土地が少ない地域では、新しく幼稚園や保育園を作れずに、待機児童が増える一方でした。 そして、それを解決するために取り入れられたのが「認定こども園」というものです。
認定こども園とは

By: suki tamba
簡単にお話ししますと
- 幼稚園…3~5歳の子ども達を教育(※0~2歳でしつけ等を家庭で学ぶ前提のため、基本保育は行わない)
- 保育園…0~5歳の子ども達を保育(※家庭でのしつけ等を補う保育に特化するため、基本教育は行わない)
- 認定こども園…0~5歳の子ども達を教育・保育(幼稚園・保育園の機能を持つ)
このような違いがあります。 認定こども園は、新たに作られている施設もありますが、そのほとんどが現状の幼稚園・保育園からの業態変更です。
都市部では、働いている親御さんが多いので、幼稚園の利用が少なくなっていました。 逆に、保育園の利用希望は多くなっていたのですが、そこで新たに「認定こども園」という業態を作ったのです。
幼稚園が認定こども園に変わると、0~2歳の子ども達を受け入れることができ、逆に保育園の待機児童が認定こども園に流れて緩和されます。 さらに、幼稚園としては、子ども達が集まることによって経営の健全化も見込まれます。 こういったいきさつで、認定こども園の普及が開始されました。
ちなみに、幼稚園・保育園両方の機能を併せ持つために、認定こども園で働くためには幼稚園教諭資格・保育士資格の2つをもっていることが必要です。 こういった状況から、今では幼稚園教諭でも、保育士でもなく保育教諭と呼ばれています。
大枠はできたが…
結論から言うと、保育業界は慢性的な人手不足です。 なので、僕個人の見解としては、大枠を作っても、それを機能させるだけの人材を育てれずにいる状況です。 以下にその内容を記載していきます。
①女性が多い職場

僕自身が男であることで、最も感じることが女性社会であることです。 学生時代は、学生100人に対して、女子95:男子5というハーレム状態でした。
実際、職についてみても、20人の職員の中で男性は僕だけでした。 奥さんの勤めている保育園は、女性100%です。 やはり女性が多い職場であることは間違いありません。 なので、結婚・妊娠・出産などのライフイベントでの離職が多い職種です。 年度末の3月には、これらの情報が右往左往しています。
②仕事量の過多
一般的に保育関連の仕事だと周りの方にお話すると 「子どもと遊ぶ仕事なんだ~」 と言われます。 確かに、子ども達と遊ぶ時間も存在します。 ただ、それ以外の仕事ももちろんあります。
- 膨大な数の指導案、成長の記録。
- 各種イベントの製作物の企画
- 準備・運営。
- 子ども達への歌やお遊戯の指導。
- 食事や排せつなどの生活習慣の指導。
- 保護者との連絡帳でのやりとり などなど
これらは先ほどの「遊ぶ仕事」とは並行できません。 なぜなら、「遊ぶ仕事」の中には、
- 子ども達に遊び方を教える
- 遊具の正しい遊び方を教える
- 異年齢児とのかかわり方を教える
- トラブル(ケンカ)などがあった時の仲裁に入る
- トイレの時間を知らせるorトイレトレーニングへ連れていく
- その他ケガなどの危険がないか見守る などなど
これらがすべて盛り込まれているからです。 なので、見た目以上に先生方は「遊ぶ仕事」に神経を注いでいます。 なぜなら、その場で何かあった時には、すべて先生が責任をとるからです。
先生方は、この「遊ぶ仕事」以外の時間で、その他すべての業務をこなしています。 当然、時間内に終わらないこともあるので、家庭に持ち帰って仕事をするなんてよくあることです。 もちろんサービス残業ですが…
③人材育成の基盤を築きにくい
一定の間隔で職員が入れ替わる保育業界なので、常に求人・採用・新人育成をしています。 園では、子ども達の年齢や人数によって、担任の先生の人数が決まります。 これは、子ども達の保育料によって決まってくるので基本的には儲けるという概念のない業態です。 なので、必要以上の人件費を支払う余力がありません。
先生方は、必死で子ども達を見ながら新人教育を行っています。 その姿はまさに体育会系です。「ついてこれないなら辞めてもいいよ?」という雰囲気! その名の通り、つい いけない先生方はやめていかれました。
ただ、これも今までの先生方が、このような教育をされてきたため、教え方がわからないということがあげられます。 時間的余裕がないために、社員教育もままならない状況です。
④給料など待遇面での問題
これは各種メディアでも取り上げられているので、ご存知の方も多いかと思います。 参考までに僕の入社4年目までの年収を記載しておきます。
- 1年目 年収220万円(ボーナス基本給の250%) 月収15万円(各種控除なし 通勤費込み)
- 2年目 年収224万円 月収15,3万円
- 3年目 年収228万円 月収15,7万円
- 4年目 年収232万円 月収16万円
入社1年目は22歳の時、4年目は25歳の時です。 いずれも手取りに直すと約11,5万円~12万円程度でした。
ちなみに年収ラボさんでは
・保育士の平均年収…317万円
・幼稚園教諭の年収…347万円
ちなみに、保育士と同じ国家資格の看護師の年収は473万円です。 保育業界は、基本的には親御さんからの保育料や、国・市町村などの補助金で賄われています。 なので、金額の上限は子ども達の年齢と人数で決まってしまいます。 僕もそうですが、多くの男性保育士はこれが原因で転職することが多いです。 ③の人材育成の面では、妊娠・出産のない男性の方は重宝されます。 ただ、家庭を持った時にやっていけるかという面で、皆さん不安に駆られてしまうのがほとんどです。
改善案は?
上記をふまえた上で、僕自身の独断で改善案を書いてみます。
①子ども達一人に対する園への補助金額をあげる
もはや結論のようなものですが、はっきり言ってこれで問題の7~8割は解決します。 まずは、園としての収入が上がります。 これによって、給料を上げることができます。 また、十分な収入を得られることによって、職員離れを緩和することができます。 大変な職種であっても、むしろそれを誇りをもって勤めれるモチベーションにつながることでしょう。
②不要な仕事をやめる
先生方の仕事の中には、子ども達や保護者にとってとても価値のあるものと、そうでないものがあります。 僕自身は、価値のない作業はすべてやめてしまっても良いと考えています。
具体的なものだと、必要以上の書類作成です。
先生方の書類の中には、月別・週別・日ごとに記入する指導案や、子ども達の成長を記録する要録など、大小さまざまな書類があります。 園には定期的に監査が入り、園の運営がしっかり行われているのかを調査されるのですが、このときに各種書類を提出します。
ただ、中には記入しているのに監査では一度もチェックされない書類もあります。 また、書類自体の書き方が複雑なために、監査側で必要項目だけを見てそれ以外は省いていることもあります。
はっきり言って、これはすべてムダです。 そもそもチェックや他の場面で活用しない書類は作る意味がないですし、何よりチェックする側がわかりにくい形式そのものが問題です。 表面的な体制はその都度改正がありましたが、こういった分野では調査もされず、むしろ書類が増えていく一方です。
僕自身は、幼稚園や保育園は、働いている職員・子ども達や親御さんにまず価値を届けていくことが必要であると思っています。 なので、それに集中できるように、これらの分野の断捨離をぜひ行うべきだと思います。
③人材育成の研修を強化する
どんな分野でも、常に学んでいく姿勢は必要です。 保育業界では、一般的には子ども達への遊び・対応の仕方など、いろんな取り組みがなされています。 その中で、僕自身が提案するのは「大人への対応」についての研修です。 活用するときはたくさんあります。
- 新人教育 ・上司もしくは部下とのコミュニケーション
- 保護者やその家族 ・地域住民との交流 などなど
保育業界では、どうしても子ども達につながる事が研修内容として多く整っています。 そのために、先生方同士や、保護者の方々とのコミュニケーションはないがしろになってしまうことがあります。
現状、離職・求人の自転車操業の中で、どうしてもこういった分野はその場ですぐ必要ではないがために、後回しになってしまいがちです。 ですが、長期的に見て、ここでの学習の密度こそが、離職を減らし、先生方や保護者同士のつながりを深め、働き甲斐のある職場を作っていくことにつながると思います。
僕自身は、この③は給料面よりも大事な分野であると思っています。 条件としての働きやすさよりも、人間関係が向上する取り組みができ、他の先生方が笑顔で働ける環境ができることを何より願っております。
まとめ
今回この「待機児童ゼロチャレンジ」へ向けて、記事を書かせていただいたのですが、僕自身はちなみに誰からもバトンを受けておりません。
ただ、この素晴らしい企画を目の前にして、いてもたってもいれず、発案者のYuichiパパさんへメッセージで直談判をさせていただきました。 すると、快く僕のお願いを聞き入れて下さり、おかげさまでこのように参加させていただくことができました。Yuichiパパさん、本当にありがとうございます!

参照→働きたいけど働けない!待機児童問題に悩むママパパの声を聞いて!!「待機児童ゼロチャレンジ」を開催します!#taikijidou0challenge【拡散希望!】
今回は僕や奥さんがかかわりのある保育教諭という立場の方々へ向けて、メッセージを書かせていただきました。 残念ながら、僕自身はまだブログを始めたばかりですので、バトンを渡す方が見つからないのが心残りですが… それでもこの記事を見て共感してくださる方々が意見を出し合うことによって、大きな流れとなって少しでも待機されている方々の環境が改善されれば幸いです。 ではでは。
※後日、保育園でうちの奥さんが保育士の労働状況調査のアンケートを受けてきましたので、記事にしました。
関連記事:保育教諭の給料が上がる?労働状況調査のアンケートが届いた話
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